越智氏ゆかりの緑豊かな禅寺 光雲寺

光雲寺は、禅宗の宗派のひとつ「黄檗宗(おうばくしゅう)」を宗旨とする寺院で、京都にある大本山萬福寺の末寺。本堂には、平安時代につくられた「文殊菩薩立像」や鎌倉時代の「釈迦如来座像」「普賢菩薩立像」といった仏像が安置され、寺の入り口には、樹齢1000年になる厄除け杉がそびえています。

南北朝時代初期の1346年、この一帯を治めていた越智邦澄(おちくにずみ)が出家し、越智家の菩提寺として「興雲寺」の名で建立したことが寺の始まり。以後、越智氏の没落など時世に翻弄されつつも寺院としての余命を維持。江戸時代に「光雲寺」と名を改めるなどしながら、「参禅を以て仏心を究明し、唯心の浄土、己身の弥陀を体得することにあり」という黄檗宗の教えを今に伝えています。

境内は豊かな森に囲まれ、さまざまな植物が息づく方丈庭園は、住職の心を現すように美しい姿をしています。また、光雲寺では月に一度、座禅会を開催。本堂の畳の上に座して手で印を結び、半目を閉じて、自らを止めて世界と向き合い、忙しい日常で気付かない何かに触れる、豊かな時間がそこにあります。

※庭園は一般の方も入らせていただけるので、興味のある方はご住職に一声かけてみてください。